2025年パソナマスターズ調査

2025年12月18日

ミドルシニアの就業意欲と活躍  —平均67歳、満足度71%のシニア派遣が示す“働き続ける社会”モデル—

本報告は、株式会社パソナマスターズにて2025年6月~9月のご登録者102名(ランダム)、2025年8月~9月の就業者402名(ランダム)計504名より回答いただいたアンケート調査結果をもとに、シニア人材の属性、働き方、目的、課題、満足度等の傾向について分析したものです。

◆サマリーと属性
2025年度アンケート(登録者102名・就業者402名)結果から、平均年齢は就業者で67歳、男女比は男性81.8%・女性17.8%。主要エリアは東京都(51名)、大阪府(50名)、愛知県(46名)など。登録者の年齢層は60~64歳が38.7%、65~69歳が28.0%とシニア中心で構成。

◆働き方・勤務状況
就業者のうち、**フルタイム(7時間以上)勤務率は90.5%**と、全国高齢者層全般と比べて高水準。週5日勤務が56%、週3~4日勤務が32.5%、また「全て出社勤務」率が77%と高く、柔軟な働き方(在宅勤務併用など)への一部のニーズも確認されている。登録者希望でもフルタイム希望が68%。

働く目的と意欲
複数回答型では「収入確保」が最多(登録者111名・就業者242名)、次いで「健康維持」(54/147名)、「社会参加」(66/70名)が続く。「社会貢献」目的も就業者46名(約11%)と、社会的役割への関心が高い傾向。**満足度「4・5」(満足・大変満足)は71.6%**に達し、主因は「経験・スキル発揮」「職場環境」「人間関係」など。今までの経験を活かし、活躍ができている。

(参照)就業者アンケート Q.あなたの働く目的を教えてください(複数回答)

(参照)就業者アンケート Q. 今の仕事の満足度を教えてください

◆健康習慣・取り組み
「健康について心がけている」就業者が89.0%、登録者でも97%が健康維持を日常的に意識。実践項目では「健康診断の受診」が346件、「休養・睡眠」が308件、「バランスの取れた食事」が230件、「散歩・スポーツ」が201件、「趣味」「医療知識」「地域活動」も多数回答。

(参照)就業者アンケート Q健康について心がけていますか

Q上記「はい」とお答えした方。日ごろ心がけていることはどんなことですか。(複数回答可)


◆働く上での課題・不安
「働く上での課題・悩み」は「特になし」が**登録者25件/就業者201件(50%)**と昨年に比較し増加傾向。一方で、年齢や定年に付随する雇用不安(58%)、健康・体力面、スキル活用・リスキリング、家族都合・介護の悩みも継続して確認。

◆将来不安・備え
主要な不安は「自分が病気になる」(回答288件)、「介護が必要になる」(180件)、「認知症を患う」(172件)、「収入減少」(104件)、「資産の枯渇」(49件)。「特に不安なし」も48件と一定。具体的な備えとしては健康管理(78件)、貯蓄・資産形成(26件)、運動(22件)、保険(12件)、情報収集(12件)、地域活動(8件)が実践されている。

(参照)就業者アンケート Q将来の生活について不安に感じることはなんですか

◆ICT・コミュニケーション
コミュニケーションは「LINE」が238名、「スマートフォン」212名、「パソコン」173名利用とITリテラシーも高く、情報格差の解消傾向が確認。

◆介護状況
「現在介護していない」就業者が88.5%。将来の介護備えや情報収集に積極的な方も一定数いる。

◆考察・まとめ
パソナマスターズのシニア層は、「フルタイム勤務率90.5%」「健康意識・行動率89.0%」「仕事満足度4・5合計71.6%」等、全国実態調査(厚生労働省:高齢者就業率65-69歳男性62.8%、女性44.7%など)と比較して、就業意欲・健康への取組・満足度等において定量的に高い水準が示されている。ついては、シニア人材が働き続ける社会実現へパソナマスターズが支援する層は「健康・収入・社会参加」を強く意識し、定量的にもフルタイム勤務率や健康行動が突出。多様な課題を持ちながらも、自己実現と社会価値創造を目指す当事者意識が高い傾向の人材が多く、日本全体の高齢就労モデルとして、シニア層が一定程度活躍している母集団といえる。