なんか最近疲れやすい…それ、もしかして“男性更年期”?

2025年05月07日

突然ですが、男性にも更年期があることはご存じでしょうか。“更年期”と聞くと女性の問題という印象を持っている方が多いかもしれませんが、実は40歳頃から男性にも様々な身体の変化が起こります。働き盛りの年代に訪れる心身の変化と、不調を軽減する予防策をみていきましょう。

 


◆男女の更年期の違い

女性の更年期は閉経が目安となり、その前後の10年を更年期と呼ぶため比較的わかりやすいのですが、男性の場合はそういった目安がないため、心身の不調と更年期障害との関連に気づきにくいのが現状です。女性ホルモンは20~30代でピークを迎えた後、40代に入ったころから急激に低下がはじまりますが、男性の場合、男性ホルモン(以下テストステロン)は一般的に中年以降、加齢とともに緩やかに減少します。

 

~テストステロン 3つの働き~

テストステロンは大きく分けて3つの働きがあります。

①   筋肉量UPと維持

②   性機能を正常に保つ

③   判断力や記憶力、集中力など、認知機能を高める

また、女性の全員が更年期障害を起こすわけではないのと同様に、男性も、更年期障害を起こす背景には、心的ストレスや性格的なもの、職場や家庭における人間関係などが影響し、個人差があります。

 

◆男性更年期障害の症状とチェック

・身体の症状:筋力低下や関節痛、筋肉痛、異常発汗、ほてり、肥満、頻尿、性欲の減退など

・心の症状:健康感の現象、興味や意欲の喪失、眠れない、不安感、うつ症状、集中力や記憶力の低下など

 

◆男性更年期について、知っておきたいこと

テストステロンが減ると・・・上記の働き以外にも、テストステロンには動脈硬化の予防や内臓脂肪の減少などの働きもあるため、減少により、動脈硬化による心筋梗塞や脳卒中、生活習慣病のリスクが高まります。

男性更年期障害の予防のために・・・食生活:良質なたんぱく質(ラム肉、赤身の肉、魚肉、鶏肉、牛乳)がテストステロンをつくりますが、中でもラム肉にはテストステロンの分泌を高める作用があるカルニチンがより多く含まれます。

①   適度な運動・・・筋トレや早歩きなど、1日10分でも継続してできることをしていきましょう。筋肉自体もテストステロンを作っています。大きな筋肉を鍛えられる、スクワットをご紹介します。

②   十分な睡眠・・・男性ホルモンは夜中に作られます。

③   自分なりのストレスの発散・・・強いストレスは、テストステロンを作る働きを阻害します。ゆっくりと入力をしたり、泣ける映画をみて涙活をしたり、笑活などもおすすめです!あなたのストレス発散方法は何ですか?

④   社会参加・・・生活リズムの乱れや社会との関わりの減少によって、テストステロンは減ってしまいます。定年後もボランティアや地域の活動などに積極的に参加する、趣味など自分の楽しめることを今から見つけるなどがおすすめです。

 

女性の更年期と比較して、認知度が低い男性の更年期ですが、イメージは少しついてきたでしょうか。男性にも更年期がある、ということを「知る」ことで自身や周りの方への変化に気づき、予防や対策がとれるかもしれません。 本格的に気になる場合には、まずはお近くの『泌尿器科』を受診されてみてください。

自分の体調や気分の変化に耳を傾けることは、これからの人生をより良く過ごすための第一歩です。年齢を重ねても、心身ともに健やかに、そして前向きに働き続けるためには、早めの気づきと適切なケアが何より大切です。この機会に、自分自身の「これから」と向き合ってみませんか。