「設計の仕事は、死ぬまで働ける仕事だと思ったんです。」
そう穏やかに語るのはパソナマスターズの人材紹介で、株式会社空ディメンジョンズに入社された三宅 義昭氏。68歳の一級建築士として、現在も同社の工場・倉庫の設計関連業務に携わっています。
週4日勤務、うち3日は在宅。年齢を重ねても自分らしく働ける環境の中で、三宅氏は今も“学び”と“好奇心”を原動力に、新しい挑戦を続けています。
経験を活かし、工場・倉庫設計の現場へ
現在担当しているのは、工場・倉庫の増設に向けた設計関連業務。
週1回、本社の会議に参加し、設計の知見を活かしながら業務に取り組んでいます。
これまでは、住宅から店舗、マンション、公共建築、さらには古民家まで——。ジャンルを制限せずに様々な設計・建築の経験を重ねてきた。
設計の最初から最後までを一貫して担ってきた経験が、今の仕事にも生きています。
「同じことの繰り返しはつまらない」転職のたびに広がった世界
三宅氏のキャリアは、常に“新しいジャンル”への挑戦とともにありました。
「マンション設計などで同じことを繰り返すより、全然違うものをつくる方が面白かった。」
住宅設計から始まり、店舗、ビル、公共施設へ。
古民家で学んだことを民家にも応用するなど、幅広い分野で経験を積み重ねてきました。
その原動力は、シンプルに“面白い”という気持ちだったといいます。

英語が話せなくても通じた「建築」という共通言語
特に印象に残っている出来事として語られたのが、古民家のNPO活動です。
古民家移築プロジェクトの打合せでイギリスを訪れた際、英語はほとんど話せなかったものの——
「建築用語って英語が多いから、なんとなく通じたんです。それがびっくりしました。」
“建築”という専門性が、国境を越える力になる。
そんな体験が、三宅氏のキャリアの中でも大きな記憶として残っています。
53歳で一級建築士へ。「学歴がなくても、道は開ける」
三宅氏が一級建築士を取得したのは53歳のとき。
普通科高校卒業で、専門学校や大学には進まなかったため、設計業界では条件が厳しいと感じることもあったそうです。
「設計の人たちは高学歴が多い。でも自分は実績と“運”でここまできた。」
建築基準法の法改正の年に挑戦し、努力を重ねて資格を取得。
「資格を取っておいて本当によかった」と振り返ります。

がんばりすぎない働き方へ。健康と仕事のバランス
57歳の頃、大きな仕事を終えた後に体を壊し、入院を繰り返した経験も。
そこから価値観が変わりました。
「がんばりすぎないこと。仕事は長生きの秘訣でもあるから。」
無理をせず、肉体的負荷をかけない。
食事のバランスを大切にしながら、今も仕事を続けています。
好奇心が止まらない。“学び直し”と絵のある暮らし
三宅氏は建築だけでなく、学び直しにも積極的です。
株式会社空ディメンジョンズ入社前には、職業訓練のWEBマーケティング の講座で、各種Webソフトや関連グラフィックソフト・動画編集ソフト 等を学びました。
「世の中に置いていかれちゃうから学ぼうと思うだけ。当たり前のことです。」
さらに休日は、DIYでご友人宅にパン窯を作ったり、自宅の庭にお風呂を作ったことも。
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▲窯は、2年ほどかけて月一回、日曜日に集まって作っていました。設計や施工法は三宅氏が担当。メンバーは10人程の交代制で作成。
そしてもう一つの大切なライフワークが——
「絵を描くこと」
人物デッサンや油絵の会に複数参加し、千葉や東京で制作を続けています。
絵を描くことは子供の頃の夢でした。でも、建築を始める前に絵を描くことはやめたんです。でも今また、高校の後輩に誘われ、描き始めてるんです。
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▲昨年夏から始めた油絵はこれから更に上達予定!
次の夢は「絵の制作過程を動画にして発信すること」
今後挑戦したいことは、絵を描く手順を動画にしてYouTubeなどで発表すること。
建築士としてのキャリアを積みながら、絵を“セカンドキャリア”として育てていく。
その姿勢は、まさに人生100年時代のロールモデルです。
同世代へのメッセージ
「やりたいことを、あきらめないで」
最後に、これからセカンドキャリアを考える方への言葉をいただきました。
「私は絵をセカンドキャリアにしたいと思っています。
やりたいことを、あきらめないでやればいいと思う」
年齢を重ねても、学び続けることで仕事は続けられる。
そして“好き”は人生を彩り続ける。
三宅氏の歩みは、そのことを静かに教えてくれます。
