バリ島での余暇の過ごし方と、今も現役で活躍するバレーボールについて、笑顔で語る岩出 小夜子(いわで さよこ)さんの毎日は、まるでカレンダーが色鮮やかに塗られているよう。定年後の“第二のキャリア”も、趣味や旅行も、全力で楽しむ——そんな彼女の生き方には、これからの働き方のヒントが詰まっています。
行政の受託事業での審査業務に携わる岩出さん。
実地検査を行う審査員のスケジュール調整やアポイントを担当し、6名のオペレーター、SV(スーパーバイザー)1名、をリーダーとして取りまとめ、日々業務に励んでいます。落ち着いた声と的確な段取りで、チームからの信頼も厚い存在です。
経理事務からショールーム、生保の営業、イベント運営・・・、本当に幅広い経験を積んでこられました。定年退職を迎えた後は、派遣スタッフとしていくつか経験し、コールセンター勤務を経て、同僚の紹介で現在の職場へ。「パソナマスターズの担当者さんからの連絡が、他の派遣会社より一歩早かったんです。ご縁ですね」と笑います。
転機となったのは、60歳の定年を迎えたとき。65歳までの再雇用のお話もいただきましたが、給与は6割に減る条件でした。それでも責任の重さは変わらず、さらに年下上司の育成も任されることに。
「私のために新しく部署を作ってくれるというありがたいお話もありましたが、待遇面でどうしても迷いがありました」
そうして選んだのは、新たな働き方への一歩。結果的に今の派遣でのお仕事のほうが条件も良く、「あのときの決断は正解でしたね」と笑顔で振り返ります。
仕事の活力源は、13歳から続けるバレーボールと、50代から毎年欠かさず訪れているバリ島。バレーでは40代・50代で全国大会出場、60代になった今も関東大会への切符を手にしています。
「ポジションはアタッカー。週1回の練習ですが、仲間と汗を流す時間は格別です」
そして、バリ島は空気や食文化が肌に合い、マッサージも格安。
「ボディとヘッド、合わせて2時間で2,000円。コロナの時以外は毎年訪れていて、今年は2回行く予定です。旅行を楽しみに、日々の仕事も頑張れます」
健康管理にも工夫があります。19階のオフィスでは、降りるときは必ず階段を利用。寝る前のストレッチや、テレビを見ながらの3kgダンベル運動、お風呂での手首ストレッチも日課です。
「おかげで膝も痛くならないんです。階段は健康の秘訣かもしれませんね」
地域や仲間とのつながりも大切にしています。練馬区のバレーチームに所属するほか、愛犬を通じてできた“犬友”との交流も健在。愛犬が亡くなった今も、バーベキューやお茶会で集まります。また、古着を詰めて途上国の子どもたちのワクチンに換える活動にも参加。
「捨てるより役に立ちたいと思うんです。仕分けは障がい者施設の方の仕事にもなるし、誰かの役に立てるって嬉しいですよね」
これからももっと長く働き続けたいという岩出さん。登録販売員や介護事務など、新しい資格や仕事にも関心があります。
「やったことがない仕事にも挑戦してみたいですね。持っていて損のない資格は、きっと未来の選択肢を広げてくれると思います」
最後に、同世代へのメッセージを聞くと、力強くこう答えてくれました。
「明日死んでもいいと思えるように生きたい。嫌なことがあっても、美味しいものを食べて、今日を大切に。そんなふうに過ごしていければ、きっと人生は豊かになります」
編集後記
定年後の働き方に迷う方も多い中、「条件や環境を見直して、自分にとってベストな選択をする」という岩出さんの決断力は、とても軽やかで前向きでした。「年齢を重ねるほど、やりたいことの幅は広がっていいんだ」と背中を押された気がします。
私たちパソナマスターズは、こうしたマチュア世代の挑戦と活躍をこれからも全力でサポートしてまいります。年齢を重ねても、自分らしく輝ける未来づくりを共に歩んでいきましょう。
※マチュア世代とは、一般的に40代後半から60代前半くらいの、社会経験を積み、成熟した大人の世代を指しています。パソナマスターズでは、年齢を重ねて、人生経験や豊富な知識を活かしながら、自分らしい生き方を楽しむ魅力的なマチュア世代を応援していきます。